二足歩行はエネルギー節約のための進化というニュースがよくわからない

 生物学のことはよくわからないけど、こんなニュースをみつけた。

ヒトの二足歩行は、「エネルギー節約」による進化と

2007.07.18 Web posted at: 17:35 JST - CNN/REUTERS/AP
ワシントン──ヒトの特徴である「二足歩行」が進化したきっかけが、「エネルギー節約」だという説を裏付ける実験結果を、米国の研究者が17日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。ヒトの祖先が二足歩行を始め、ヒトへと進化した過程に、エネルギー消費という生化学的な面や、歩き方という解剖学的な面が強く関与していることを示唆する研究だとして、注目されている。
ワシントン大学アリゾナ大学、カリフォルニア大学デイビス校の研究者らは、遺伝的にヒトに近いチンパンジー5頭に、酸素吸入量などを調べる機器を装着し、トレッドミルの上で歩かせ、エネルギー消費量を測定した。
その結果、二足歩行時と四足歩行時における消費エネルギー量について、個体差が非常に大きなことが判明した。
ある個体は、二足歩行時の方が四足歩行時よりも、より少ないエネルギーで済んだが、ある個体では二足歩行時と四足歩行時で、消費エネルギー量はほぼ同じだった。また、ある個体では、二足歩行の方が四足歩行よりも、より大きなエネルギーを必要としていた。
一方、ヒトにも同様の実験を行ったところ、ヒトでは二足歩行時の消費エネルギー量が、四足歩行のチンパンジーの約4分の1と、二足歩行の方が効率がよかった。
この結果から、ヒトとチンパンジーの共通の祖先のうち、二足歩行の方が消費エネルギー量が少なくてすむ個体にとって、より広範囲にエサを探すことが可能となり、繁殖機会が増えたことから、二足歩行する個体が増えた。そのため、二足歩行をする個体群と、四足歩行の個体群が別れて、別の種になったと考えられるという。
研究を行ったアリゾナ大学のデイビッド・レイチレン人類学准教授は、「個体差が非常に大きなことに驚いた。進化が働く上で、個体差があることは最低条件。個体差がなければ、進化は生まれない」と話している。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200707180020.html

 そりゃ、ほとんどすべての人は四足歩行なんてしたことがないんだから、うまくできないのは当たりまえなのではw。

  • 二足歩行よりも四足歩行がわりと得意なサル→サルのまま
  • 四足歩行よりも二足歩行が得意なサル→人へ

 という論旨なのかもしれないけど、人が四足歩行を捨てて二足歩行になるという流れはほぼ不可逆的なんだろうから、二足歩行をする人の四足歩行能をしらべても意味がないんじゃ? まだ歩けない赤ちゃんとか「狼少女」みたいな、ふだん四足歩行をしている人の四足歩行能なら意味があるのかもしれないけど。
 つうか、「四足歩行をする類人猿のなかにも二足歩行むきの奴がいた」ということが要旨なんだろうけど、その研究結果の母集団が「チンパンジー5頭」って、そんなに少なくてもいいものなのかなぁ。元の論文をみていないし、自分は門外漢なのでよくわからないけど、いまいちピンとこないニュース。