徽宗様によればクジャクはサウスポーなんだけどYouTubeによればスイッチフッターなのだ

 先日、手術をうけて退院したんですが、まだ療養中につき家で寝てなきゃならないので、ヒマなんであります。夏なのに。
 ところで、Kay-akira Hirotaさんのブログで、次のようなことが紹介されていた。

中国の皇帝徽宗の観察力。
孔雀は段を上がるとき必ず左脚をあげるという。
孔雀は左脚利きなのだ。
http://blog.so-net.ne.jp/kaysaka/2007-08-07

 まじで!? これはぜひ上野動物園ズーラシア、市立金沢動物園から小田原城址公園まで、およそクジャクのいそうなすべての場所をかけまわって、真相を確認してこなくては! と思ったものの、療養中なのでそうもいかない。仕方がないので、とりあえずYouTubeクジャクの動画をあさってみて、彼らがどっちの足から踏み出すのかを数えてみることにした。なんという有意義な2007年夏の過ごしかただろう……。
 しかし、膨大なYouTubeクジャク動画のなかから、クジャクが段をのぼっている場面だけを捜すのはたいへんだ。そこで、人の野球やサッカー選手の利き足は一歩踏み出す足と同じ(軸足の逆)なのを参考にして、クジャクも段をのぼる脚と一歩踏み出す脚が同じであろうと仮定し、クジャクが一歩踏み出す場面をサンプルとして数えることにした。
 こうして数えた動画のクジャクの条件は、以下のとおりである。

  • YouTubeの動画から「peafowl、peacock、peahen、クジャク、孔雀」の単語で検索してでてきたクジャクの動画をサンプルとする
  • クジャクが両脚をほぼそろえて止まっている状態から、一歩を踏み出すところがしっかり写っているものが有効
  • クジャクの種類や雌雄、尾羽をひろげている・いないは気にしない
  • クジャクの個体別の見分けがつかないので、ひとつの動画でも場面が切り替わってうつっているクジャクはすべて別のものとして「のべクジャク数」で数える

 以上の条件でおおよそ二時間超もクジャク動画をみつづけ、ついに導きだされたその衝撃の結果が以下。

総有効閲覧動画数102本
のべ有効クジャク踏み出し数494羽
のべ右脚から歩き出したクジャク231羽(約47%)
のべ左脚から歩き出したクジャク263羽(約53%)
 なんと驚きの、あんまり変わらないじゃん! という数字ではないですか。
右でも左でもOKなんっすよ(スイッチヒッター
 えええー。これはいったいどういうことなんだろう。6%の差が肝要なのか? 徽宗の庭園にいたクジャクに、たまたま左利きがそろっていたんだろうか? それとも、クジャクは人とちがって、段をのぼる足と一歩を踏み出す足とが異なるんだろうか? あるいは、徽宗が米フツあたりにデマを吹き込まれたんだろうか(笑)。
 いずれにしても、YouTubeの動画を見るかぎりでは、徽宗の説はくつがえされたのだ。今後、機会をみつけてぜひ生クジャクたちを観察し、追って調査してみたいものである。いやまじで。

やっぱり段をのぼるとこじゃないとダメなのかな(追記)

 上の記事について、Kayさんから以下のようなコメントを頂いた。ありがとうございます!

Kay『とりあえず元のエピソードはこんな感じです。
http://cul.news.tom.com/1013/1015/200584-21033.html
“孔雀升高先抬左腿!”
http://news.guoxue.com/article.php?articleid=10538
“你们虽画得不错,可惜都画错了,孔雀上土堆,往往是先举左脚,而你们却画成了先抬右脚。”
これを読むと「段を上るとき」というのが重要な感じですね。』 (2007/08/07 20:04)

syulan 『ありがとうございます!
やっぱり、のぼるときでないと左脚はでないんでしょうか。
そのうち上野公園のクジャクでも見てみますー。


クジャクを左向きに描くならば、
手前になる左脚があがっていたほうが
絵としての見た目はぜったいよくなりますよね。』 (2007/08/07 21:58)