日中共同で超普通な雰囲気の三国志アニメを作ったらしい

日中で「三国志」アニメを共同制作 来春、中国全土で放映


 中国・三国時代の歴史を描いた「三国志」のアニメ番組が日中で共同制作され、来年4月から中国全土でテレビ放映されることになった。日本アニメの多くは中国で下請け制作されているが、一緒に物語を作り上げるのはほとんど例がないという。業界関係者は「日中で共同制作するモデルケースになれば」と期待している。共同制作するのは、東京都中央区の番組制作会社「フューチャー・プラネット」と、中国中央電視台(CCTV)の系列企業。日本のアニメ制作技術やキャラクターの商品化などのノウハウが評価されたという。両社は18日に北京で正式に調印した。業界関係者によると、中国ではアニメ人気が上昇し、日本アニメの人気も高い。中国政府はアニメ産業の育成に取り組み、動画制作技術は向上しているが、絵コンテなど物語の進め方は日本側に一日の長があるという。フュ社はドキュメンタリー番組や映画を多く手がけてきたが、アニメの制作実績は乏しい。実際の制作は、米ウォルト・ディズニー社の日本法人でアニメ制作をしていたスタッフらが立ち上げた会社が担う。原作は、劉備曹操らの活躍を描いた歴史小説三国演義三国志演義)」。1話約30分の番組を52本制作し、1年かけて放映する。三国志は中国でも人気が高いが、テレビアニメとして放映されるのは初めてという。中国社会科学院三国志学会に監修してもらう。日本側が絵コンテ、中国側が脚本やアニメ制作、キャラクターデザインを担当する。総制作費は約6億円で、うち日本側が約4億円を負担する。フュ社は「日本ではあまり知られていないエピソードを盛り込み、これまでとはひと味違った三国志にしたい」としている。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200705190157.html

 さいきんトンデモな三国志ものばかり見慣れていたので、この記事の挿し絵がめちゃくちゃ普通なのに逆に笑った(朝日新聞・「フューチャー・プラネット」・中国中央電視台のサイトのどれにもイラストが載っていなかったので、19日朝日の夕刊の記事から挿し絵を転載しました)。
 トンデモな三国志ものの例をあげると、こんな感じだ。

三国無双シリーズ
国とりゲームで、諸葛亮司馬懿の目からビームが出たり、とにかくすごい(http://www.gamecity.ne.jp/smusou4/index_flash.htm)。
一騎当千
三国志の人物が現代の高校生になって戦うパラレルもの。孫策とか呂蒙とかがお色気女子高生(http://www.ikkitousen.com/)。
ランペイジ
美少女劉備ちゃんが活躍する(asin:4063462447)。
恋姫†無双
三国志の人物が美少女な恋愛ゲーム。美少女かつ半裸の関羽とか董卓とかと恋愛できる(http://www.tactics.ne.jp/~baseson/koihime/index.htm)。
鋼鉄三国志
孫権が美少女だったり諸葛亮と美少年陸遜に愛がめばえたり(!)、ありとあらゆるところがすごい(http://www.koutetsu-sangokushi.jp/file/jsp/)。

 と、なんかすごいことになっていて、初めは驚いていたけど最近はもはや楽しくなっていたところだったから、イラストの普通っぷりにむしろ一瞬がっかりしたw。しかし、みんな三国志大好きなんだなぁと感心する。でも、三国志はたしかにすごく面白いけど、たまには主人公が曹植とかでも良くないかー? それか、ちょっと時代を後にして、西晋の興亡とかもかなり面白くないかー? それに、伯夷叔斉兄弟とか周穆とか楚荘とか、侯景と慕容垂とか蘭陵王とか李煜とかのアニメとかもあっても良くないかー? と、勝手に自分が見たいだけの中国史ものを書いておくw。やっぱ中国史のなかでは、物語ばえするのは三国時代項羽と劉邦とかなんだろうなぁ……北宋とかになるとゴージャスで面白いけど、登場人物やそろえなきゃいけない物品が多すぎて予算がかかりすぎるのかもね。
 それはさておき、きのうの記事(http://d.hatena.ne.jp/syulan/20070519/p1)で「三国志は多くの人がいろいろな捉え方をしていて、それぞれいろいろなイメージを持っている」と書いたけれど、世の中には関羽が美少女に見える人までもがいるのだから、世界ってほんとうに広いものだなぁと思うw。