レイズワールドシリーズ進出おめでとう!!/鈴木尚の応援歌が好きだった話

フィリーズのマスコットとスラィリーは何が違うのか
 今年のワールドシリーズは、まさかのレイズ対フィリーズ! '98年にあわや実現しかけた日本シリーズ横浜対日ハム(東京時代)戦や、阪神対ロッテ戦のような驚きの組み合わせだ。なにしろ、球団創設以来わずか一年を除いてすべて最下位だったレイズと、10,000敗のフィリーズである。『ササキ様に願いを』で、午前二時から録画放送とか言われそうなカードではないですか。ど、どっちも頑張れ!
 去年ロッキーズワールドシリーズに進出したときに、自分はコロラドの人は松井稼頭央を十年たっても忘れないでいてくれるだろうなという記事を書いたんですが、今年はこの松井にそのまま岩村を代入して書きたいぐらいだ。MLBには応援歌がないのが実に惜しいですね! もしMLBにもNPBのように応援歌があったら、横浜ファンが今年もまた開幕戦や降雨中断時や最終戦には'98年の優勝ナイン応援歌メドレーを喜んでやったように、十年後のレイズファンもまた事あるごとに、1番セカンド岩村から始まる08年優勝ナインメドレーを大喜びで歌うんじゃないかと思うからだ(いや、もしもレイズが常勝球団になったら知らんが)。横浜がローズ引退後も「Come on Rose Victory, Hustle Bobby Go-Go-Go!」という彼の応援歌をチャンステーマに再利用しているがごとく、岩村の応援歌も引き継がれたり!
 横浜では先日、鈴木尚典が正式に引退したわけだけど、自分は鈴木の応援歌が好きだった(昔のラッキーボーイじゃなくて、新しいほうだ)。「駆け抜けるダイヤモンド 両手を高くあげ 轟きわたる歓声が 君の胸を焦がす」という歌詞が好きだった。「かっとばせ何某」的なよくある応援歌も勿論いいんだけど、鈴木の応援歌が特によかったところは、それがただの情景描写だった点だ。
 鈴木はいつの頃からか急激に成績を落としたので、鈴木が打席に向かうと、スタンドから悪しざまにヤジやブーイングを飛ばす者もたくさんいた。それもプロ野球のうちなので別にいいんだけど、他に幾らでもいる不調の選手と、鈴木の応援のされ方はここからが違った。
 まず、タカノリコールだ。打席に入った鈴木を見て、一斉にメガホンをかざした観衆が、「せーの、ターカーノーリー」という大きなコールを数度繰り替えす。これで誰が何を言おうが、自分の声さえ聞こえない状況になるのだ。だから、ヤジを飛ばしていた者も一旦黙り、鈴木の打席を見る。
 そして、応援歌がはじまる。鈴木がバットを構え、守る内野手が腰を落とし、投手が投球動作に入る。「両手を高くあげ」のところでメガホンを掲げながら、観衆は情景描写を繰り返し歌う。すると不思議なもので、観衆は瞬間的にある種の暗示、または集団催眠のようなものにかかる。熱狂する観衆はそこに、今まさに左膝を深く折って中距離打者独特の巧みな弾道を描く打球をライトスタンドに放り込み、汽笛と轟く歓声のなかで両手を掲げ、強かった頃と同じその横浜スタジアムのダイヤモンドを駆け抜けようとする直前の、若く溌剌とした俊足の首位打者であったかつての鈴木のその姿を見ているのだ。
 鈴木の体格とバッティングフォームが引退までそう変わらなかったのも、肝心の打撃においては果たしてどうだったのかが分からないけれど、応援的な意味では良かった。いかにもスイングが速く長身で俊足の打者らしい、バットを立てて少し膝を内側に折ったフォームを最後まで続けたために、打席での鈴木の姿は、十年前とほとんど同じだった(そういえば、横浜のユニフォームも大きなデザインの変更はなかったし)。こういう訳で、全ての人がそうだというのではないが、自分が見た非常に多くのパターンでは、はじめは不調の鈴木の悪口を言っていた人も、いつの間にか両手をあげ、打席の鈴木を応援していたんである。これは、佐伯の人気とは違った。佐伯も絶大な人気がある選手で、自分も熱心に応援するんだけど、その応援は自分がスタンドで見ている限りでは、優勝ナインであったこともあるがそれよりも、その後の再び低迷する横浜の四番を背負ってきた中距離打者佐伯を、一緒に泣きながら苦労してきたよな! 応援するぜ!! というふうなんである。鈴木の応援は、とくにここ数年はそうではなかった。観衆は、鈴木の打席でその瞬間だけ、その背中に、満面の笑みで歓声に応える強い横浜の首位打者鈴木の夢を映して、それを応援していたように見えた。鈴木はそういう選手だった。いつの間にか錆びついて壊れてしまった、記憶のなかのマシンガン打線の象徴だったのかもしれない。
 だから自分は、鈴木が他のチームへ移籍して現役を続けるという道を選ばずに横浜でコーチになってくれて、とても良かったと思う。日本シリーズでMVPを獲得した鈴木が他球団のユニフォームでプレーする姿は、横浜ファンにとって非常に貴重な優勝の思い出を違えてしまう(もちろんそうではない人も多いと思うけど、自分にはそう思える)。楽しい思い出をありがとう、コーチもがんばれ鈴木尚! 巧打者を量産しまくって再び優勝したときに、シーレックス上着を脱ぎ捨ててベンチから飛び出してくる姿を期待しています。いや、来季にでも!!

 夕飯は、北海道の生秋鮭と青森のニンニクの醤油ガーリックソテー/群馬のホウレンソウの酢醤油和え/山形のナメコ・豆腐・油揚げ・千葉の糸ミツバの味噌汁/小田原の梅干し/雑穀飯。

 おとといの夕飯は、北海道のサンマを焼いて、醤油と徳島のスダチと長野の大根おろしを共にしたやつ/高知の四方竹・豆腐・油揚げ・千葉の糸ミツバの味噌汁/鹿児島のサトイモ・千葉のニンジン・群馬のコンニャクを煮たやつ/群馬のホウレンソウの酢醤油和え/雑穀飯。きのうは飲み会でモツ煮をいっぱい食べたぞー! しかし、阪神><阪神の今季って一体何だったんだ><得たものは、大量の優勝グッズの在庫と首位独走の思い出だけかよ! 横浜から19点獲って有頂天になってるから(ry