初広島市民球場訪問記・オープン戦のついでにカップヌードル車の謎を探ってきたよ!(写真多めレポ)

 自分は小さいころからのプロ野球ファンにも関わらず、広島市民球場へ行ったことがなかった。広島へは高校のときに一度訪れたことがあるんですが、そのときは台風が来て大雨により試合はもちろん中止、宮島へも船が欠航したので渡れず、広島城と平和記念資料館を見学して日程が終わってしまったのだった。
 ところでその市民球場での試合をTV中継で見ていると、いつもグラウンドで巨大カップヌードルがウロチョロしている。
こういうのです
 カープの元親会社であるマツダの軽トラックの荷台に、人が余裕で入れるほどの大きな日清カップヌードルが乗っている。それが試合の開始前と5回終了時のグラウンド整備のときに、トンボを持ってグラウンドをならすスタッフの人に混じって、内野のベンチ前をチョコチョコと走っているのだ(ちなみに何年か前まで、カップヌードルは横倒しで荷台に乗っていた記憶もある)。
 あれは何だ? 何のためにいるのか? 中は何が入っているんだろう? そしてプロ野球12球団の各本拠地のうちで、自分の見た限りカップヌードルがいるのは広島だけだ。日清食品は大阪の会社のはずなのに、なぜ広島にだけカップヌードルが?
 自分は長年このような疑問を抱き続け、多くのカープファンの人に聞いてみたり、ときどきインターネットで調べてみたりしたもののはかばかしい成果は得られず、「なぜ市民にカップヌードルがいるんだろう?」とたまに思いつつも謎を放置していた。だが、そうするうちに現在の広島市民球場を取り壊して新球場(マツダスタジアム)へと移転する話があれよという間に進み、ついに今年のシーズンからは完全に新球場ですべての試合が行われ、現在の市民球場はもう一切開けないらしい。小さい頃から数えきれないほどの試合を見てきた球場を、それにもしかしたらカップヌードル車も、このままでは一度も見ずに終わってしまう!
 ということで、ちょうど3月7日の金曜日に仕事で広島への出張があり、続く土日に市民球場での広島のオープン戦があったので、市民球場とカップヌードル車(と宮島)を見物に行くことにしました。
 その前に、まずはリサーチです。といってもカップヌードル車の調査で、しかしこれはいくら調べてもまったく情報が得られないので、思い余って日清食品の相談窓口に電話してみた。こんなさもないことを訊ねるのは恐縮してしまいます。

星井「もしもし、お忙しいところを済みません。つかぬことを伺いたいのですが」
日清「はいなんでしょう?」(おじさまのようだ)
星井「あの、ラーメンのことではないんですが……プロ野球の、広島東洋カープってありますよね」
日清「はい、ございますね」
星井「そこの本拠地の広島市民球場に、荷台に人が入れるぐらい大きなカップヌードルのハリボテのようなものが乗った軽トラックがいるんですが、ご存知でしょうか?」
日清「さあ、存じませんが?」
星井「(!)あ、あの、そのことで幾つか伺おうと思いまして……(以下略)

 こういった経緯の後に、笑われながらもわざわざ折り返し調べなおしていただいて、自分は遂に次のような「市民球場カップヌードル車の謎」を知ることができた(安直な方法で申し訳ない)。

1.カップヌードル車の愛称
「グランドスイーパー」だそうです。自分の周囲では「カップヌードル号」とか勝手に呼んでいましたが、こんなにかっこいい名前があったのだ!
2.いつごろからいるのか?
当時の詳しい資料が残っていないのではっきりとはしないそうですが、1980年頃からいるらしい。じゃあ、自分が生まれたころにはすでにいたのか!
3.何のためにいるのか?
宣伝のためだけにいて、中は無人のハリボテなので、グラウンド整備とかの仕事もしない(できない)そうです。
4.日清食品は大阪の会社なのに、なぜ広島にだけカップヌードルがいるのか?
グランドスイーパーは市民球場独自のもので、当時の資料がもうないので詳しい経緯は分からないが、市民球場か広島球団のほうからグランドスイーパーを販売促進(宣伝)のために球場に置くという提案があり、日清食品がそれを受けたので広島にだけいるそうです。大阪にいないのは、甲子園や阪神球団などが提案していないからなんですね!
5.横浜スタジアムへもカップヌードルが来ることはあるだろうか?
上記のような経緯なので、基本的にはないそうです。
6.新球場にカップヌードルはついて行くのか?
検討中だが恐らくついていくことになっていて、ただ乗り物は軽トラックから変わるらしい。何になるかは、まだ分からないのでヒミツだそうです。

 とのことでした(ちなみに「自分は趣味のプロ野球応援ブログを持っているが、そこにお答え頂いた内容を載せてもいいですか?」と伺ってみたところ、全く問題ないそうです)。日清食品さん、お忙しい中をお手数お掛け致しましてありがとうございました。これからもカップヌードル食べます!
 これで、長年の疑問が一気に氷解した。まさかカップヌードル号がグランドスイーパーという名で、広島側から提案されたので市民にいるとは思わなかった。ハマスタも提案すれば、グランドスイーパー二号みたいなものが来てくれたりしないだろうか。そして、新しい乗り物! カップヌードルが何に乗ってくるのか、もうワクワクだ。
 このような情報を得たところで、さっそく新幹線で広島を訪れた。菜種梅雨まっさかりなので天気が心配でしたが、仕事も終わった土曜日の朝はいきなり晴天! これも自分の日頃の行いがいいからですねフフンと喜びつつ、地図を見ながら市民球場へ!
 ……その前に、まずはもう横浜へ帰る上司様を広島駅へ見送りに。するとそこで何かの撮影をしていて、見ると新球場へ移転日までのカウントダウンボードとブラウン監督のサイン入りベースが展示されており、それを広島テレビNHK広島が取材に来ていたのだった。ニュースに怪しいβキャップの女が思いっきり映りこんでいたら済みません。
奥の青いのは、イコカ(西日本のSuica)のマスコットのイコちゃんだそうです
 広島駅の人が取材に答えているのを横で聞いていたところ、このベースは「マーティが新球場の一塁ベースにわざわざ嵌めてサインしたものなので、二塁でも三塁でもなく一塁ベースなんです!」ということだそうです。マーティ呼ばわりか!
小さなビンには市民球場の土が入っている
 横の説明には、「2006年、ブラウン監督は就任1年目の5月の試合中、選手の気持ちを一つにまとめ、士気を高めるために一塁ベースを投げるというパフォーマンスを演じました。そこで今回、新広島市民球場オープンを記念し、カープ球団のモニュメントとして展示しています」と書かれていた。どこから突っ込めと。

 こうして朝からカープの赤い情熱を感じつつ、珍しい広島市内の風景にワクワクキョロキョロしながら路面電車(カワイイ! 安い! 便利!)で市民球場へ……の前に途中の駅で下車して、昨夜飲み屋でカープファンの方に聞いた「カルピオ」という広島のオフィシャルグッズショップへ寄った。今日は広島を応援するので、カープキャップを買うのです。このお店は横浜関内のセルテにあるベイスターズショップとほぼ同じ感じでグッズを扱っているんですが、ただ違うのは、二階にカープギャラリー兼資料室みたいな展示がある。
いきなり衣笠さんパネルが出迎えてくださる。写真撮影は自由とのことなので、お言葉に甘えて!
 これは楽しくていいですね! ハマスタの中のビクトリーコートにもペナントとサインボールなどがちょっと展示してある一画があるけど、ここは球場に入らない人も見られるし、展示品も多い。
カープの歴史や資料品が置いてあります
昔のスコアボード。読売頑張れw
 いろいろあったんですが、82年ウェスタン優勝のメンバーが卒倒ものの豪華さだったので、ぜひここで紹介したいです!
ウェスタン優勝メンバーは……
ジャーン!
ジャーン! ジャーン!! 育成大成功すぎ!
 そして無事カープ帽子を購入し(カープ名物面白グッズはオフなので品揃えがないそうです)、今度はワクワクキョロキョロしながら歩いて遂に初市民球場へ! 対戦相手は楽天
ついた!
 市民球場の外観は、一言で言えばかつて自分が毎年涙を流した中学・高校時代のホームグラウンド、平塚球場そっくりだ。ごく平凡な、各地に一つはあって県大会予選とかに使われていて、たまにプロ野球の地方巡業試合もやりそうな、飾らないよくある古めの立派な野球場といった趣きだった。駅から近くて周りは公園になっていて、気持ちよく野球ができそうな感じのいい球場だなという第一印象だった。
スラィリーのグリーティングには早くも行列が
 そして内野の券を買ったんですが、その時にもぎりの兄ちゃんに「すいません、市民ってカップヌードルの車がいるじゃないすか! 今日もあれっていますか?」と聞いてみた。オープン戦にもグランドスイーパーがいるのかは、実はよく知らなかったのだ。だが兄ちゃんの返事は「いると思うっすよ!(広島訛り)」との快答で、そこへ通りがかった球場職員の方がさらに「カップヌードル? 一塁側から出てくるよ!」と教えてくださった。ありがとうございます! ついでにあの車が何をしているのかと聞いてみたが、「さあね?」とのことだった。球場職員の方でも謎だとは思わなかった。
 市民の内野は一塁側と三塁側が自由に行き来可能とのことなので、さっそく一塁側から入ってみた。
 階段を登ると、目の前に開ける青い空とグラウンド。野球場だ!
    
 ものすごく分かりづらい写真で申し訳ないが、二階の最上段の席からグラウンドを見渡した全景です。
 最初に思ったのは、考えていたよりもずっと狭いな、ということだった。自分はハマスタや神宮や東京ドームなどの狭い狭いと言われるプロ野球の本拠地を見慣れているので、市民はかなり広く見えるのかと思っていたが、TVで知っていた印象からは意外なほどに小さなグラウンドだった。両翼もウォーニングゾーンも狭いし外野フェンスも低すぎ、ベアグラウンドのフィールドは中身も平塚球場そっくりだ。佐伯が左中間へ放り込まんと大きく流して苦労して打ったホームラン性の球を、いつも市民で前田がフェンスを飛び越えて捕球していたのにも非常に納得がいった。自分もずっと「新球場よりも今の市民を神宮みたいに改装して使えばいいのに」と思っていたけれど、訪れて初めて分かったが、気持ちのいい素晴らしい球場ではあるけれど、ここをプロ野球の本拠地としてこれからも使っていくのは難しいだろう。一から作り直して大きな球場にすればとも思ったが、周囲の公園の様子を見ると、建蔽率がどうとかいうふうでそれも無理そうな立地だった。この球場は旧川崎球場のように、長い役目を終えたんだなと感じた。でも壊してしまうなんてやっぱり勿体無いから、学生野球やアマチュア用の球場に使えばいいと思います!
 そんなふうに球場を眺めていたら、上の写真にもひっそりと映っているんですが、三塁側のホーム後方に何か変わったものが見えた。よく見てびっくりした。

 すぐそこに、ビルに混じって当たり前のように原爆ドームが見えるのだ。
 よく似た別の建物かもとあわてて地図を見たら、球場から直線距離で300mぐらいの近くに原爆ドームがあったので、本物が見えて当然なのだが自分は驚いた。自分は臆病者で原爆ドームの生々しい破壊痕を見るのが怖かったので、今回広島に来てからは原爆ドームの前へ来てもずっと目を上げないようにしていて、全く見る気がなかったのだ。だから、まさか球場へ来て不意打ちにそんなものを見るとは思ってもみなかった。よく野球場でプロ野球ファンは、たとえばハマスタならばレフト後方に道を一本挟んで横浜市庁舎があるので、ホームランバッターに「市役所ブチぬけ村田!」などと(実際にはぜったいに届きはしないけど)ヤジりつつ応援するものですが、ここで見えるのは原爆ドームなのだ。いや原爆ドームはファウルしか上がらない方向にあるんですが、それでもそんなに衝撃的なものが、野球場から普通によく見えるとは思わなかった。
 グラウンドでは広島の選手が打撃練習をしていたので、しばらく原爆ドームのほうにもポンポンとファウルボールが上がるのを見ながら、今度はじっくりと原爆ドームを眺めた。もしも先の戦争中に市民球場があったら、原爆ドームと同じく球場も一瞬で瓦礫になってしまっていただろうし、そこで強肩を披露している広島の選手らも、センターから本塁へ100mのレーザービームで走者を殺す(アウトにする)ためにボールを投げるのではなくて、100m遠くから本当に敵兵の生命を奪うために手榴弾を投げていただろう。それでは誰も楽しくないけど、野球はみんなが楽しいから、きっととても良い慰霊になるだろうと思った。戦争で亡くなった人や失われた街に花を捧げて祈るのもいいが、優れた若者がスポーツに励んで、それをみんなが見て喜んでいるというのは、亡くなった誰もがそうあれかしと心から望んだ広島の姿に違いない。野球をやって勝ったり負けたり刺したり殺したりするのは単なる遊びで、誰も実際に死んだりはしない。選手は輝かんばかりに溢れる屈強な健康と若さと才能、努力と練習の成果を惜しげもなく見せて正々堂々と戦い、試合が終われば勝者は敗者を、敗者は勝者を称える。敵味方のファンも飲み屋で隣になれば、いやー今日のオタクの大竹はすごかった、いやオタクの吉村も怖ろしい、明日は負けないっすよ、いや明日も勝ちますから、と笑ってビールが飲めるのだ。戦争をやっているときには、そんな余裕はない。だから元気に野球をしたり応援したりしている姿が原爆ドームから見えるのは戦没者の方の霊を慰めることになるだろうとか、新市民球場から原爆ドームが見えるのかは知らないし、見えたらいいとか見えないほうがいいとかは思わないが、どっちにしてもずっと楽しく野球ができる球場であってほしいといったことを、原爆ドームにあがるファウルを眺めながら少しだけ思った。

 そんなことを考えているうちに腹が減ったので、カープファンの皆さんおすすめの市民球場名物カープうどんを買ってきた。これはうまい! 蒲田にあっためん亭のような関西風うどんで、400円で肉もネギもジューシー! カープうどんは新球場にもちゃんとついて行くらしいんですが、カープファンの方によれば出すお店が変わるから味も変わるかもとのことで、どんなふうになるのか皆さん危惧していた。変わらぬおいしさを、新球場でもぜひ!
 ちなみに写真のように、市民球場の内野席にはドリンクホルダーがないのだ。もちろん外野席にもないそうで、スクワット応援のときにビールはどうするのかと聞いたらば、ビールを持ってこぼさずにスクワットできるのが達人カープファンらしい。自分もやってみたが、絶対無理だ。達人すげえ!
41番森笠
 市民球場のビールのカップには選手のイラストが入っていて、それが何十人ぶんもあって楽しいんですが、二杯目のカップが今季から横浜へ移籍してきた森笠だったので笑った。ダメじゃん森笠! 一杯目と三杯目のイラストはちゃんと在籍選手の東出と前田健だったが、森笠は在庫整理だろうか。あとは広島の地酒として、達磨という麦焼酎芋焼酎(名前失念しました><)、それに「真っ赤ップ」という米焼酎があり、どれも400円で飲みやすくてロックでゴクゴクいけて、非常においしかったです! 「真っ赤ップ」はカープ応援焼酎で、写真撮るのを忘れましたが赤いカップに鯉と野球ボールの熱いラベルなのだ。売り子の大竹似の兄ちゃんによればこの焼酎らも新球場にちゃんとついて行くらしく、一番のオススメは麦だそうで、本当においしいのでぜひ!
楽天のノック。身長163cmの内村と168cmの小坂と……
2mのセギノールの連携プレー!
 外野ノックで、廣瀬がライトの深いところからホーム一直線のものすごい強肩を披露していたのでびっくりした。アレックスが抜けてもこれならライトは心配いらないっすね! と言ったら、廣瀬はHRのない多村みたいなモンで、いない時のほうが多いからカープファンは皆心配だそうだ。
広島のノック。なんか見たような選手がいるなと思ったら、横浜から出奔して移籍した石井琢が梵や小窪に混じってショートノックを受けて若さをアピールしていたw
 そんなふうに遊んでいたら、スルスルと一塁側のリリーフカー出口からグランドスイーパーが出てきた!

 と思ったら、すぐに三塁側のリリーフカー出口へ入って停車してしまったので、自分も彼(グランドスイーパー)を追って三塁側へ移動。
レフトのリリーフカー出口に格納
 三塁側へ移動したらこちらもカープファンでいっぱいだったので、楽天キャップを持っていなかった自分としては微妙に安心した。土曜日とはいえオープン戦なのに目測でも一万人以上、レギュラーシーズンと変わらない数の観客が入っている様子に驚いたが、この客入りにはカープファンの皆さんも驚いていた。例年のオープン戦はもっと閑散としているが、今年はシーズンが開幕したら新球場なので、これで市民球場は取り壊しになるから人が入っているらしい。
三塁側でもグリーティングに熱心なスラィリー
 球団歌を熱唱してからプレイボール……の前に、今日は市民球場でのオープン戦開幕試合だったようで、新入団選手のお披露目があった。
帽子をとって頭を下げる石井
 若く爽やかなルーキーらに混じって、石井琢も帽子をとって深々と挨拶していたので笑った。石井は今日の出場選手の中で、栗原や梵を越えて最も歓声を浴びており、カープファンは彼に非常な期待を寄せているようだ。
サードはシーボル、DH梵
 石井は7番ショートでスタメンし、打撃面では3タコだったものの、守備では好捕に華麗なバックトスまで見せて張り切っていた。若いじゃん石井。広島はかわいい女の子のファンが多いので、石井はここで再び活躍するかもしれないw。

 試合は両軍ゼロ行進のまま5回まで進み、グラウンド整備のイニングブレイクに。すると、またグランドスイーパーが出てきた!

 グランドスイーパーはやはりゆっくり淡々と両軍のベンチ前を進み、トンボをかけるスタッフや熱心に踊るスラィリーを手伝うでも邪魔するでもなく一塁側と三塁側を数回往復してから停車し、こんどは一塁側のリリーフカー出口へ入っていった。球場で出会ったカープファンの方々に、ついでとばかりに市民球場にカップヌードルがいることについてちょっと聞いてみたが、皆さん一様に「そういえばいつの間にかおるね」「おるけど何もせんよ、ただおるだけ」「そういえばなんでカップヌードルなんじゃろ? 日清は大阪の会社じゃろうに」「オタフクソースはおらんのになあ」という感じで、グランドスイーパーは特に気に留められていないようだった。
楽天ファンは興味津々
 むしろ遠征してきたとおぼしき楽天ファンの人達が、「うわー大きいカップヌードル!」とはしゃいで写真を撮っていた。そういえばパリーグファンは、普段はTV中継でも市民球場を目にしないからかもしれない。

 試合はルイスと長谷川が好投したものの継投が崩れ、打線は朝井と有銘を打ち崩せずにいるうちにうっかり点が得られずに終わってしまって広島としては残念な3-0の敗戦でしたが、それでもとても面白いゲームでした!(スコア詳細
野村監督
 試合が終わったらまたグランドスイーパーが出てきたが、オープン戦3試合目にしてまだ勝ちがないのでちょっとがっかりムードなカープファンは、気にせずに帰ってゆく。

 スラィリースクワット応援や面白グッズのように熱いわけではないが、グランドスイーパーも市民球場の仲間として一緒に新球場へ連れていってもらって、勝って大喜びしてスクワットをしたりジェット風船を飛ばす情熱的なカープファンや、勝つと色までピンクに変わるスラィリーの横で、ひっそり飄々と内野を走っている姿が今季も見られたらいいなと思いました。何に乗ってくるのか楽しみです!
ありがとう旧市民球場
 さっきも書いたけれど、市民球場を壊してしまうのは本当にもったいないと思う。しかも、病院や映画館や学校などを作ったりサッカー場などにするならともかく公園にするという計画は、広島を訪れたよそ者の目からはピンと来ない話だった。だって、すぐ真横に広くて立派な平和記念公園があるし! しかしいろいろな事情も成功する目算もあるのだろうし、もしも神宮外苑や上野公園や井の頭公園のように池があって木がたくさん茂った森のような大きな公園にするのならば、それはそれでいいかもしれない。でもやっぱりもったいないな。

 夜になってからカープ式スポーツバーへWBC日本韓国戦中継を見に行き、横浜の村田と内川が大活躍して大勝利を遂げたので褒められてワーイ! となったw。いろいろなところで出会って、見知らぬ横浜ファンの自分と昼間や深夜まで遊んでくださったカープファンや他チームファンの皆さん、ありがとうございました! とても楽しかったです!
街路樹に普通にソテツが生えている。なんだかんだいって、横浜よりも暖かいのだ
 広島は美しくとても感じのいい住み心地のよさそうな街で、自分は一目で気に入ってしまった。東京や横浜の街が、最初は一軒家だったのが親戚や親戚の知人やさらに知人の友人が越してきて……というふうに増築を繰り返して蟻の巣のような大きな集合住宅になり、昔のままの部屋もあればもはや最初の住人でさえ何だか分からないところもあり、誰も気づかなかったような意外なところに意外なものもあり、という様子であるとすれば、広島は実家のような一軒家で、どの部屋も目的を持って母親の優しい手で整えられ、居間には最新のTVもあるが、新興住宅地ではなく昔からある家なので床の間には先祖のいかめしい遺品が飾ってあり、だがその家の高校生の息子の部屋にはエロい本も隠してあり、そしてそこの一家は揃ってカープの大ファン、というふうな街に見えた。自分は生まれ育った横浜や東京の街が大好きなんですが、もしどこかへ引っ越して住むならば広島に住んでみたいなと思った。
これはゲーセンの入り口
 そうそう、広島においてのカープの愛され方は半端ではなく、新幹線の駅からコンビニからスーパーマーケットからありとあらゆるところでカープグッズを売っており、街中のいたるところ、それも野球とは関係ない美容院やゲームセンターや魚屋なんかに、当たり前のようにカープグッズが飾られている。
地元銀行は「カープV預金」をしている(そういえば横浜銀行だか湘南信金だかも、昔ホエールズ預金だかベイスターズなんとかだかをやってたような?)。ついでにサンフレッチェ定期預金をしている銀行もあって、もっとついでにいえばこの日はJリーグ開幕戦で、自分がカープのオープン戦を見ている間にF.マリノスサンフレッチェにうっかり2-4で負けたのだ。ダメじゃん中澤あー!
 自分の泊まったビジネスホテルは繁華街にあったんですが、セクシーなお店の呼び込みの女の子がカープユニを羽織ってお客を呼び止めていたのにはびっくりした。自分がカープファンの男ならば、ついフラフラと着いていってしまうに違いない。
宮島は非常に面白かったんですが、長くなるのでここでは割愛><
 翌日の日曜日に宮島へ行ったら、「厳島神社の御利益でカープは1979年と80年に連続優勝!」的な勢いでサイン杓子とかが飾ってあるぐらい、カープは広島の人に愛されているのだ。カープ世界遺産のうちだろうか。
杓子は「めしとる」ので縁起がいいそうだw
 そしてなんと……

 カープもみじ饅頭までもが!

 もみじ饅頭のところで普通に売っていました。

 包装がカープ柄なだけで、中身はこしあん・抹茶・カスタード・チョコレートのごく普通のもみじまんじゅうで、別に「梵味」とか「東出味」とかいうわけではなかったので安心です。家と職場に買って帰りましたが、大変おいしくて好評でした!
新幹線の南側に見えます
 新市民球場は新幹線からよく見える線路のまっ正面にあって、すでに外から見えるスコアボードもついていたのですが、そこに模擬的に「巨0-10広」と表示してあったので笑った。広島へは新横浜から新幹線一本の4時間で、遠いようでわりとすぐなことも分かったので、新球場ができたらまたぜひ来てみようと思いました。
 広島の皆さん、心からありがとうございました!